「つげ義春流れ雲旅」を読んだら山形の肘折温泉の奥に在る今神温泉が出て来た。
そこには「秘湯という名は今神温泉のような所こそが相応しい」とある。
30年近くになるだろう、今熊山に登った後に訪れた事がある。
今熊山は低山と軽く考えて登ったら崖をよじ登らなくてはならない箇所が有り
肝を冷やした記憶がある。
初秋だった為今神温泉は母屋を除いて宿泊用の建物は解体されていた。
母屋には田中さんという中年の宿主が居て気さくに話をしてくれた。
宿主の名は僕の名の反対なので覚えている。
彼はせっせと鉱泉を灯油缶に汲んでいた。
全国の客に送るのだそうだ。
彼の話ではこの温泉はフランスのルルドの泉と同じ成分という。
そしてこの温泉を飲むと癌の90%は治るという。
もし癌に罹ったら躊躇なくここに来ると決めた。
この温泉で焼酎を割ると二日酔いをしないというのは本当の様だ。
つげ義春の「げんせん館主人」はこの温泉が舞台だそうだ。
残念な事にこの秘湯は幻の様に無くなってしまった。