中島君が南鳥島に行ったレポートです。
「観測器のメンテナンスのため、1泊2日で本土から1800 kmほど離れた日本最東端の孤島・南鳥島(マーカス島)へ行ってきました。南鳥島は、おむすびのような三角形をした、1辺3 kmほどのサンゴ礁で出来た島です。南鳥島へは、海上自衛隊の輸送機・C-130で、在日米軍厚木基地から硫黄島経由で向かいます。硫黄島まで2.5時間、そこからさらに南鳥島まで2.5時間の飛行時間で行くことが出来ます。現地では我々の研究所が、気象庁の観測施設の中をお借りして、酸素濃度の変化を測定しています。ここはWMO(世界気象機関)の全球大気監視観測施設にも指定されている、貴重な観測所です。南鳥島は、周囲8 kmほどの絶海の孤島ですが、日本の領海や排他的経済水域(EEZ)の確保にも大きく貢献している、貴重な領土です。昔は米国沿岸警備隊が、全球航法のためのロランCという施設も運用していましたが、GPSの台頭のおかげで現在は撤去されました。幸い太平洋戦争でもここは大きな戦場にはならず、硫黄島のような悲劇も起きませんでした。気象庁の皆さんはここで約3か月滞在し、各種観測作業に従事されます。この島滞在の後、南極越冬隊に参加される方も多く、南極への登竜門とされているようです。