ネパールの8000m峰ダウラギリの北東にhidden valley<隠れ谷>と呼ばれてる所が有る。
何とも気になる名前だ。
ネパールは山国で至る所に街道が伸びている。
そのあらゆる街道から伺い知れない谷というので名付けだれたのだろう。
実際急峻な道を一気に標高5,300mの峠を越えなければならない。
明治時代にこの隠れたルートを通りチベットに密入国を果たした一人の僧がいる。
川口慧海だ。
20数年前ネパールの奥地にトレッキングに行こうとしたことが有る。
候補に挙がったのはこのhidden valleyと世界で一番標高が高いと云われている
ティルチョウ湖だった。
このルートを通った慧海の日記を読むと胸が張り裂けそうに辛かったとある。
この文章を読みあの偉大な探検家でも辛いのならとても無理と思いティルチョウ湖
を選んだ。
この前行った境野谷<勝手に名付けた>は作並街道と秋保街道に挟まれた1軒の家も無い
眞にhidden valleyの様な所だ。
因みに東北大に慧海がチベットから持ち帰った仏典を始め植物等の豊富な資料が保存されて
いて以前客の研究生に案内して貰った事が有る。